「山の上の木と雲の話」ほか、文學堂の新作が届きました。

「屋根の上の猫と雲の話」はまた日を改めてお伝えするとして、本日は、またまたたくさん届いた文學堂の新作をご紹介しなくてはなりません。
今回届いたのは、6月に発売された小川未明の新作と、7月に発売された坂口安吾の新作たちです。
つい最近、小川未明の新作のうち「月とあざらし」だけが先に届いておりましたが、これで注文していた新作がほぼ揃ったことになります。
今回も今まで以上に色鮮やかで魅力的なものばかり。モチーフとなる作品も有名なものもあれば読んだことのないものもあり、例によってこの機会に青空文庫を読みあさることになりました。
ACART的イチオシはこちら。
小川未明「山の上の木と雲の話」です。
寂しい山の上に立つ一本の木が、ある時出会ったこの上なく美しい雲と再び会うのをずっと待ち続けるお話。
誰もやって来ることのない山の上で、毎日見えるのは灰色のもの悲しい雲ばかり。
そんなある日、「にこやかに笑みをうかべ、紅・紫・黄・金・銀のまばゆい色彩で織られた着物をまとった雲」に出会います。「きっと、もう一度ここへやってきますよ。いろいろのおもしろい話や、珍しいこの世界じゅうでわたしの見てきた話をしてあげますよ。」そう言い残して去っていった雲を、来る日も来る日も木は待ち続けるというお話です。
前回ご紹介した「月とあざらし」に似たストーリーではありますが、冷たい氷の上で失った子供を待ち続けるあざらしに比べると、この木には少し希望が感じられるように思います。
また想像される情景は色彩溢れ、なんとも美しい。
このノートの表紙に描かれる場面も、木が美しい雲と出会う瞬間のものなので、とても色鮮やかなデザインとなっています。ビビッドなピンク色の空にただよう金色の雲。どっしりと山に根を下ろし、しっかりと立つ丈夫そうな木。
物語の最も美しい瞬間が見事に描かれているのです。
一見可愛らしくポップなイメージにも仕上がっていますが、このお話の内容を知っているからか何故か少し切ないようにも感じます。
ぜひこのノートやペンケースを持って、この木と一緒に美しい雲の帰りを待つことにしましょう。
さてさて、他にもまだまだたくさんの魅力的な新作があります。
小川未明シリーズ
・和綴じノート「山の上の木と雲の話」¥756(税込)
・和綴じノート「ある男と無花果」¥756(税込)
・和綴じノート「三人と二つのりんご」¥756(税込)
・和綴じノート「風だけが叫ぶ」¥756(税込)
・筒型ペンケース「月とあざらし」¥648(税込)
・筒型ペンケース「山の上の木と雲の話」¥648(税込)
坂口安吾シリーズ
・和綴じノート「不連続殺人事件」¥756(税込)
・和綴じノート「堕落論」¥756(税込)
・和綴じノート「恋をしに行く」¥756(税込)
・筒型ペンケース「恋をしに行く」¥648(税込)
未開封の商品写真だと少しデザインがわかりづらいので、文學堂さんのカタログ画像でご確認ください。
「山の上の木と雲の話」以外も、メリハリの効いた大胆なデザインで素敵です。
モチーフの物語を知らなくてもつい手にしたくなりますが、小川未明の作品は短編が多いので、ぜひご一読ください。
坂口安吾シリーズは実際の作品の内容からすると少しポップでコミカルな感じもしますが、格好よく意味深なデザインに仕上がっています。
「これどんな話なの?!」と思ったアナタ。
もう文學堂さんの思うツボです。気になったデザインの文具を手に取り、文学の世界へ足を踏み入れましょう。
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